ひかり塾BLOG

方程式の立式のしかた続

date.2025.01.11

昨日の続きです。
「③不等式をつくる」ですね。次の問題を見てみましょう。

問1.『あるクラスでイベントを開催するため集金を行ったところ、1人あたりの負担額を200円とすると集まったお金は500円余ります。そこで、1人あたりの負担額を180円にすると逆に300円不足しました。このとき、クラスの人数とイベントに必要な金額を求めなさい。』

クラスの人数をa、必要な金額をb とすると式は次のようになります。

「1人あたりの負担額を200円とすると集まったお金は500円余ります」

 b = 200 × a - 500

「1人あたりの負担額を180円にすると逆に300円不足しました」

 b = 180 × a + 300

この「余った500を引く」、「不足した300を足す」がスムーズにできますか?
次の問題も見てください。

問2.『ある人数の子どもたちにお菓子を配る予定です。1人に4個ずつ配ると12個余りますが、1人に5個ずつ配ると8個不足します。このとき、子どもたちの人数とお菓子の個数を求めなさい。』

子どもたちの人数をa、お菓子の個数をb とすると式は次のようになります。

「1人に4個ずつ配ると12個余ります」

 b = 4 × a + 12

「1人に5個ずつ配ると8個不足します」

 b = 5 × a - 8

どうでしょうか。「余った12を足す」、「不足した8を引く」。先ほどの問題とは真逆の計算になっていますね。
なぜ同じ「余り」と「不足」なのに足し算と引き算が逆になるんでしょうか。「余りだから○○算」、「不足だから○○算」と覚えてきた生徒はここでつまづきます。この疑問を次のように考えてみてください。


「2つの値の大小関係を確認する」

どういうことか説明します。

まずは問1.から
クラスの人数はa、必要な金額がbです 。
「1人あたりの負担額を200円とすると集まったお金は500円余ります」
一人あたり200円負担すると集まったお金は 200 × a (円) になります。必要な金額が b (円) です。
200 × a (円) と b (円) のどちらが大きいでしょうか?
500円余るということは集まったお金 200 × a (円) の方が大きいということですね。これを不等式にしてみると、

 b < 200 × a

となりますね。この2つの差は500なので、大きい方の 200 × a から 500 を引いてあげると、左辺と右辺の大きさは等しくなりますね。

 b = 200 × a - 500


次に問2.の余る方を見てみます。
子どもたちの人数はa、お菓子の個数がbです。
「1人に4個ずつ配ると12個余ります」
一人に4個ずつ配るので全部で 4 × a (個) を配ることになります。お菓子は b (個) あります。
さて 4 × a (個) と b (個) ではどちらが大きいですか?
12個余るということは用意していたお菓子 b (個) の方が大きいということですね。これを不等式にしてみると、

 b > 4 × a 

となりますね。この2つの差は12なので、少ない方の 4 × a に12を足してあげると、左辺と右辺の大きさは等しくなりますね。

 b = 4 × a + 12


どうでしょうか。このようにして立式を考えるとなぜ足し算なのか、なぜ引き算なのかの理由が明確に分かりますね。
長くなってきたので「不足」の方は説明を省きすが、道理は同じです。
前回の「②等式をつくる」についても左辺と右辺の大小関係を比較して立式をしています。なので「②等式をつくる」と「③不等式をつくる」については考え方は同じようなものです。等しければ最初から 左辺=右辺 にすれば良いですし、そうでなければ不等式を立ててから等式を考えます。

不等式から考えてみる問題は今回の「余る・不足する」の他に「○○よりも大きい(小さい)」「○○よりも早い(遅い)」などの問題文があげられます。このように問題文に書いてあればそこに注目してくださいね。この大小関係の表現が立式のポイントになります。


なるべく手短にとは思って書いてみましたが、文章にすると長くなりますね(笑)
これを話しながら説明するのは全然良いんですが、書くのは大変でした…
しばらくは手短な内容にします(笑)